【書評】 会社というモンスターが、ぼくたちを不幸にしているのかもしれない。 サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野慶久 著

先輩の紹介で読んだ本シリーズの第2弾です。

今回の題材となっているのは、サイボウズ株式会社代表取締役社長の青野慶久さんの著書、「会社というモンスターが、ぼくたちを不幸にしているのかもしれない。」です。

 

 

 

■著者:青野慶久さんについて

愛媛県今治市出身で、阪大工学部でシステムを研究されたあと、パナソニックに就職。その後26歳で地元今治市にてサイボウズを設立されました。

 

青野さんはまず、社員はもちろんのことや社会の方々が楽しく働くということをビジョンとされています。サイボウズのビジョンとして「チームワークあふれる社会を創る」ということを掲げておられます。

 2017年9月13日の日経新聞の朝刊に掲載されたものです。

*貼り付けた画像が見ずらいのでこちらを参照ください

働き方改革が楽しくない」 サイボウズが「お詫び広告」を出した理由 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/cybozu?utm_term=.lkAZWePbw&sub=0_11812558#11812558

 

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これは、サイボウズが働き改革に長年取り組んでおられてきたようです。サイボウズの社会への価値提供として、チームワークがあふれる社会を創るという点を重視しているにもかかわらず、昨今の社会はその動きに逆行する形で進んでします。

ゆえに、サイボウズは社員の首を絞める社会構造を変えると、力強くこの広告を使ってPRしています。

 

 

またTwitterではこのようなツイートを発信しており、話題となりました。

 

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本著書にもこの文言は出てきます。

 

 

この本に触れ、青野さんの言葉からいろいろと考えさせられました。

本当に、大きい企業に勤め続けることが幸せなのだろうか?いまやりたいことはないのか?

それに自分のリソースを集中させなくて、死ぬときに後悔しないか?

 

 

■会社、カイシャとは?

 

本著の前半で、カイシャのモンスター性について語られています。

いまある大企業のほとんどがモンスターとなっており、そこで働いている社員はみな我慢を強いられているということです。

もともと、企業は高い志を持って創業者によって生み出されました。しかし、そのビジネスが成功して資金を獲得し、創業者から代替わりすると、そのお金や権威を求める経営者が企業の経営を担うことになります。創業者と一体だった会社はいつしか、法人という人格を獲得して、経営者にその存続を代行させるカイシャというモンスターとなります。

そのモンスターの中で、年功序列に従って長年我慢して経営者となった人たちが経営するのですから、下の社員たちへも同じように我慢を強いるのです。そして、その我慢を耐え抜いた人が次の経営者となります。ゆえに、今の日本の大企業には我慢レースを強いる風土が根付いているかもしれないと、青野さんは言っています。

 

 

理念を失い、お金や権威を維持することを目的としているカイシャに所属している社員は我慢レースを強いられるのですから、楽しいわけありません。

現に私の周りでも「仕事は楽しいわけない」という人がほとんどです。自分の先輩や上司がそんなモチベーションで働いているのを目の当たりにして、疑問に思わないほうがおかしいと思います。しかし、カイシャで働く=我慢レースをする という思考停止が常態化している量産型のソルジャー文系社員は、私も含め、仕事は楽しくない、毎朝つらいけど我慢しなければならないと心に言い聞かせて出社するしかないのです。

この本を読まなければ、仕事は楽しいことなのかもしれない、自分が考えることを放棄しているかもしれない、という大切な点に気が付くことはできなかったと思います。

 

 

 

■どのような働き方がよいのか?

人はやれること、やりたいこと、やるべきことの3つの領域が重なるエリアに高いモチベーションを感じるそうです。

やるべきこととは周囲の人が期待する働きのことです。

そして、環境、どんな会社がよいのかという話です。まず、自分のアイディアを惜しみなく発信できることです。そして、同じ方向性のビジョンを共有している仲間と働けることです。そのうえで、社会や顧客から必要とされていることを実感できる職場であることだそうです。サイボウズの経営はこの環境を作り、社員の高いモチベーションを引き出すようにしているのだそうです。

歯を食いしばって我慢するのではなく、楽しいんでやりたいことを突き進んでいき、極めることで”ユニークな人材“になろうと提言されています。

 

 

いま、カイシャでの働き方に疑問を抱いている方や就活生は手に取り、読んでみることをお勧めします。

 

 

 

 ■受けた影響

自分が本当にやりたいこととは何かを考えます。

正直なところ、特にないのが現状です。焦りを感じます。

本当にやりたくて、寝食を惜しんで極めたいことがないです。それよりライトな程度でもはまっていることすらないです。隙あらばフェスに行きまくる人、歯を磨いているときや食事中でも家にいるときは隙あらば本を読み続ける人。そんな情熱を傾けるものがないです。少し前は、「好きなことがあっていいなー」なんて余裕かましていましたが、いまはその余裕はありません。好きなことを自分の気持ちのまま突き進んでステップアップしていく周りを見ていると、数年後には彼らが住む世界が遠い彼方へ行ってしまうような気がしています。

自分がやりたいことを見つけまで、すぐには到達できなさそうです。なので、まずは自分のアンテナを高く持って情報をたくさん仕入れて、そして、一歩踏み出してみたいと思います。

「こういうイベントがあるんだー」と興味を持ったら調べて行ってみる。「瞑想って体や心にいいんだー」と思ったら、調べて数日続けてみる。「こういう食べものはやってるんだー」と思ったら食べてみて感想を発信してみる。

なにか心に刺さったら、それを実践して、自分の糧となるような行動をしていくことで、自分の興味の方向性を探る1歩となるのではと思います。